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諸掛配賦機能の使用検討

NSの導入を行う際に、仕入諸掛の配賦機能を使うか使わないかという論点が出てくることがあります。
仕入諸掛は、日本の会計上、原則として商品の購入代金に含めるとなっていますが、この機能を使わない場合は、諸掛をまったく配賦せずに、会計処理が適切でないということになるのでしょうか。
もちろんそんなことありません。

NSの諸掛配賦機能は基本的に、トランザクション単位、アイテム単位で諸掛をアイテム原価として配賦する機能になります。
この機能を使う場合、使わない場合の処理をご紹介します。(あくまでイメージの一例として参照ください)

諸掛配賦機能の使用検討


方法①-諸掛機能を使う場合

諸掛配賦機能の使用検討

上記は諸掛機能を使った場合の参考例になります。諸掛配賦後の原価はアイテム単位で把握されることになるため、売上原価は、販売したアイテムA商品の仕入本体価額+諸掛金額となります。また、BS上のたな卸資産も同様です。

方法①-諸掛機能を使う場合のまとめ
メリット:
・アイテム単位でその仕入れにかかった諸掛を配賦できるため、費用収益の対応の面で優れている(売上原価が精緻)
デメリット:
・入庫単位・アイテム単位で諸掛を配賦するため、入力工数負担が大きい(配賦計算結果を一括配賦する等して工数削減する場合、開発が必要となる)
その他特徴:
・アイテム別の売上・売上原価明細やPLは諸掛込みの原価となる。

諸掛機能を使用しない場合は、選択肢は2つになります。(1)配賦をしないか、(2)財務会計上だけで配賦を行うかです。
(1)の配賦をしない方法は、税法を根拠として諸掛の重要性が高くない場合に認められます。こちらは単に諸掛を費用処理すればOKなので説明は省き、(2)の方法について以下紹介いたします。

方法②-財務会計上で配賦する方法

諸掛配賦機能の使用検討

この方法は、その期間に発生した諸掛を在庫と原価の比で配賦する方法になります。配賦基準は金額としていますが、数量や重量でも適切と認められる限り問題ありません(継続性は必要となります①も同様)アイテム単位では諸掛込みの原価は把握できませんが、BS PL上は配賦後金額が認識されます。①と結果の金額に差異は生じますが一定の精度・合理性は必要になりますが、こちらも認められた方法になります。

方法②-財務会計上で配賦する方法まとめ
メリット:
・諸掛の総額をBS PL上だけで配賦するため、配賦工数が少ない。(税務会計だけ考慮する場合は年度末だけ行えばよく、そうでなくても月次単位での処理となる)
デメリット:
・費用収益の対応は粗い。
・アイテム別の売上・売上原価明細はアイテムの本体価額の原価で評価され、諸掛込みの粗利や原価率はPL上でしかわからない(アイテム単位の収益性が不透明になる可能性がある。)
→※粗い・不透明といった表現を使っていますが、数値が正しくないというわけではなく、管理会計目的の視点でという意味になります。


総評
諸掛配賦機能を初めて見た際に、工数負担から、配賦をまったくしないというとこに落ち着くケースも多いかと思いますが、この工数負担は開発によっても軽減可能になります。
また、そうはいっても導入はスモールスタートで行いたい場合、方法②(財務会計上だけでの配賦)を選択しておいて、運用が落ち着いた時に方法①(諸掛配賦機能)を開発も含めて検討・導入するのがいいかもしれません。

導入時の検討の参考になれば幸いです。

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