はじめに
NetSuite を使った請求業務の中で、
「締め請求書」 という機能を聞いたことはあるけれど、
- 何ができる機能なのか
- 通常の請求書と何が違うのか
- Japan Localization ではどう使うのか
が分かりにくい、という声をよく聞きます。
本ブログでは、
NetSuite(Japan Localization)における締め請求書の仕組みと実務上の使いどころを、
NetSuite導入・運用の視点で解説していきます。
締め請求書とは?
一言でいうと
一定期間に発行された複数の請求書を、顧客ごと・締め日ごとにまとめて管理・請求する仕組み
です。
日本の商慣習でよくある、
- 月末締め
- 20日締め
- 複数取引を月1回まとめて請求
といった運用を、NetSuite上で実現するための機能です。
通常の請求書との違い
| 観点 | 通常の請求書 | 締め請求書 |
|---|---|---|
| 発行単位 | 取引ごと | 期間・締め日単位 |
| 件数 | 多くなりがち | 1顧客1枚に集約 |
| 入金消込 | 請求書単位 | 締め請求書単位 |
| 日本商習慣対応 | △ | ◎ |
NetSuiteでの締め請求書の位置づけ(重要)
ここが 一番誤解されやすいポイント です。
締め請求書は「元請求書を消す」わけではない
- 元となる 個別の請求書(Invoice) はそのまま存在します
- 締め請求書は、それらを 束ねて管理・請求するための上位概念 です
つまり、
会計・売上管理:個別請求書
回収・請求管理:締め請求書
という役割分担になります。
Japan Localization における締め請求書
Japan Localization を有効化すると、
日本向けに最適化された締め請求書機能が利用できます。
主な特徴
- 顧客 × 締め日 単位で自動作成
- 消費税端数計算が可能
- 顧客入金を締め請求書単位で適用可能
日本の経理・請求業務を強く意識した設計になっています。
基本的な処理の流れ
① 個別請求書の作成
- 注文書 → 請求書(Invoice)を通常通り作成
- ここでは まだ締め請求書は作られない
② 締め請求書の作成
- 指定した条件で締め処理を実行
- 顧客
- 締め日
- 請求期間
→ 対象の請求書が 1つの締め請求書に紐づく
③ 帳票出力・顧客送付
- 締め請求書をPDF出力
- 顧客へ送付(メール・郵送)
④ 入金・消込
- 顧客入金は 締め請求書に対して適用も可能。(内部的には、紐づく個別請求書に配賦される)
- それぞれ個別の請求書に対して適用も可能。
まとめ
締め請求書(Japan Localization)は、
- 日本の商慣習にフィットした機能
- ただし 制約と前提条件を理解せずに使うと失敗しやすい
という特徴があります。
「請求をまとめたい」ではなく、
「どの単位で売上・回収・税額を管理したいか」
を整理した上で導入することが重要です。
おわりに
NetSuiteの請求機能は、
標準機能・Japan Localization・カスタマイズの組み合わせ で完成します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
NetSuiteに関してのご相談は、是非Coznetまで。

